冷え性がもたらす諸症状

冷えで起こる痛み

東洋医学では、冷えは腎経(じんけい)の病だと考えられています。

腎経とは、腎臓や膀胱に関連があり、「先天の元気」を司っています。腎経は、生まれつき備わっている生命エネルギーの循環を担当しておりこれが弱ってしまうと元気も沸いてこないばかりか、生殖機能も衰えてきてしまいます。

また、冷えからくる痛みも様々で、「冷え」一つが原因で様々な箇所に痛みとして影響が出てきてしまいます。

1:関節の痛み
体が痛いというのは何らかの原因があるわけで、例えば熱をもって腫れている状態は炎症性の痛みです。逆に熱をもっていない痛みは、疲労によって筋肉が硬くなってしまうことで血の巡りが悪くなってしまっているケースか、冷えによって血液の循環が悪くなり血液の行き届かない部分に栄養障害が生じてしまい痛みの原因となっているケースが考えられます。
2:腰痛
内臓疾患や骨のズレが原因となることが多いですが、冷えからくる血行障害によって筋肉を硬くし痛みを引き起こすこともあります。
3:生理痛
腰の部分を冷やしてしまうと、骨盤内にある臓器に影響が出てしまいます。骨盤内には子宮、卵巣がありそれらが冷えることによって働きが悪くなり、生理不順や生理痛を引き起こしてしまいます。

その他、冷えからくる諸症状

1:手足の冷えやしびれ
手足の先が冷えると、最初のうちは「冷たく感じる」程度ですが、ひどくなるとしびれを感じるようになり、更に症状が進むと感覚が麻痺する状態になってしまいます。
2:手足がむくむ
手足のむくみが生じる原因は、大きく分けて2つ考えられている。
・疲労による一過性のもの
・血行不良やリンパの流れが悪いため
血行不良の原因として、静脈の働きが悪いということが挙げられます。
静脈の血管には弁があり、筋肉運動によって動き、血液を送り出す働きを担っています。運動不足や冷えはその弁の働きを鈍らせ、静脈血の戻りを悪くさせます。
戻りの悪い血漿(血液の成分)はリンパの中に流れ込む→リンパ液が本来体外に排出している不要な老廃物や水分を適切に排出させる機能が低下する→余分な老廃物や水分が体内に残る→むくみになる。
3:冷えのぼせや足のほてり
冷えのぼせとは、体は冷えているのに頭が熱くぼーっとする症状のこと。
のぼせやほてりというのは、血液が体の一方方向に行ったまま戻ってこない状態によって引き起こされること。その場所には血液だけではなく疲労物質まで溜まってしまいます。体が冷えると血液の循環が悪くなってしまうため、このような症状まで引き起こすことになってしまうのです。
4:肩こり・首のこり
パソコン仕事や立ち仕事などで長時間同じ姿勢を続けていることで血の巡りが悪くなり肩こりや首のこりを引き起こす原因になりますが、同様に冷え症も原因の一つとして考えることができます。
凝り(コリ)というのは、筋肉が硬くなってそこに疲労物質である乳酸がたまっている状態のことです。血液が適切に流れていれば乳酸は早くとりさられますが、血液循環が悪いことで、そこにいつまでも乳酸が停留し、コリの原因となってしまいます。
5:便秘
骨盤内の臓器には、上行結腸、下行結腸、S字結腸といった大腸があり、これらの部分が冷えることによって腸の働きが悪くなり、ぜんどう運動が弱まってしまい便を送り出しにくくなってしまい、便秘の原因の一つとなってしまいます。
6:下痢
下痢のメカニズムは、毒となる物質をできるだけ早く体外に出すためであり、そのために腸が硬く縮みます。腸が冷えると同様の状態になり、毒を排出するためでなない時にも下痢を引き起こしてしまいます。
7:頻尿
体内に不要な水分が膀胱にたまりいっぱいになると、膀胱が収縮し尿を排出させます。膀胱を冷やしてしまうと収縮しますので、収縮した状態を脳に信号として伝わり「おしっこをしたい」と認識するようになります。それが頻尿に繋がってしまいます。
8:膀胱炎
膀胱を冷やしてしまうと血液の流れが悪くなり、血液中の生体防御器官(免疫系)の働きが悪くなります。そうなってしまうと細菌から体を守る力が衰えてしまい、膀胱が細菌感染してしまう確率が高くなってしまいます。
9:痔
肛門周辺の毛細血管が冷えによって元気に働かなくなるとうっ血してしまい、もろく壊れやすくなります。ですから、肛門付近を冷やしてしまうと痔(切れ痔やイボ痔)を引き起こしてしまいます。
10:低血圧
一般的に低血圧の定義として上の血圧が100以下、下の血圧が60以下の状態であると言われています。ただし、体質によっても幅があるため、この数値以下だからといって全ての人が低血圧であるとは言い切れません。
上の血圧は、心臓が収縮し、血液を勢いよく送り出した瞬間の血圧、下の血圧は心臓が拡張したときの血圧であり、冷えによって血流が悪くなり心臓から血液を送り出す力が弱くなると血圧が低くなってしまいます。
勢いのない血流では、体の隅々にまで血液が行き渡りにくくなり手足が冷えてしまいます。脳への血流も少なく、ふらふらする状態も引き起こしてしまいます。
11:低体温
冷えによって血流が悪くなり体温が低くなってしまっている状態です。体全体が冷えてしまっている状態ですから体の機能を充分に働かせることはできません。